同性婚訴訟の札幌地裁判決後、「違憲判決」と書かれた紙を掲げる原告の弁護士と支援者ら=17日午前11時34分、札幌市で

 同性婚を認めないのは法の下の平等に反し「違憲」と判断した17日の札幌地裁判決に、当事者らからは喜びの声が上がった。

 「私たち同性カップルは『生産性がない』などと言われ、存在なき者とされてきた。勇気を出して声を上げて良かった」

 札幌地裁判決を受け、東京地裁の同性婚訴訟の原告、40代の小野春さんは喜びを語った。小野さんは、同じく原告で40代の女性パートナー西川麻実さんと15年以上暮らす。小野さんも西川さんも、かつて男性と結婚して授かった子どもがおり、計3人の子を一緒に育ててきた。

 しかし、法律上は2世帯同居にすぎず、他人同士。小野さんは5年前、乳がんが発覚し、西川さんに配偶者としての相続権がないことや、子どもの親権を共同で持てないことに不安を抱いた。「札幌の違憲判断が東京地裁や他の地裁にも続いてほしい」

 同性婚は、海外では2001年のオランダを皮切りに、30近い国・地域で認められ、先進7カ国(G7)で同性カップルへの法的保護がないのは日本だけだ。LGBTなど性的少数者への差別や偏見が根強くある日本で、当事者は声を上げ続けてきた。

 15年に東京都世田谷、渋谷の両区で始まった同性カップルの関係を認める「パートナーシップ制度」は現在、79自治体に広がる。制度は同性カップルが地域に存在していることと同時に、相続や税制など法的保護の不平等を可視化した。企業でもダイバーシティー(多様性)の取り組みを進める中、同性パートナーを家族として扱い福利厚生を認める例が増えつつある。

 早稲田大の棚村政行教授(家族法)は「こうした社会的変化を裁判所が評価した結果、違憲判断につながった」とみる。諸外国でも当事者が声を上げ、地方のパートナーシップ制度の広がりから、中央の法整備に至った例がある。「国や行政は性的少数者の差別解消や、権利擁護のための法整備、社会的な支援の充実に努めなければならない」と指摘した。(奥野斐)

クレジットソースリンク