観光客らでにぎわうJR熱海駅前の商店街=熱海市で

 新型コロナウイルス感染の「第三波」が広がる中で迎える三連休。不要不急の外出を控える要請も出ているが県東部の観光地、熱海や修善寺では二十日、温泉や紅葉を楽しむ人が大勢訪れていた。ただ「(予約済みで)直前のキャンセルはできなかった」といった声も。旅館関係者らは今後に影響が出てこないか気をもんでいる。 (山中正義、渡辺陽太郎)

 首都圏からの観光客が多い熱海市内の主要な宿泊施設では、感染拡大の影響は今のところ少ない。しかし、宿泊業関係者からは今後の展開を心配する声も上がっている。

 「キャンセルはない。あったとしても入れ替わりで予約が入っている」。老舗「古屋旅館」の内田宗一郎社長はこう話した。首都圏からの車でのアクセスの良さに加え、高級な宿に泊まること自体が目的になっているという。年末年始の予約状況も通常通りだ。

 「ホテルニューアカオ」も、新規予約のペースが少し落ちたもののキャンセルが増えるなどの目立った動きはなく、この三連休は満室。だが、今後の感染状況や「Go To トラベル」の期間が延長されるか、など不透明な面もあり、杉山聖也マネージャーは「この先の動きは分からない」と気をもむ。

 午後のJR熱海駅周辺では、キャリーバッグを持った観光客が多く行き交う姿が見られた。「Go To」を使った東京都の会社員男性(35)は「感染拡大は気になったけど、予約できたから…。気を付けて楽しみたい」と語った。

 熱海温泉ホテル旅館協同組合によると、「Go To」では利用者が高価格帯の宿を好む傾向があり、直前のキャンセルは高額な違約金が発生するため、三連休への影響が限定的になった一因という。加藤光良専務理事は「(まだキャンセル料がかからない)十二、一月にどういう動きが出るかは懸念している」。

◆「感染者急増の影響出ていない」 伊豆市修善寺地区

色づき始めた紅葉を楽しむ観光客=伊豆市で

 伊豆市修善寺地区では強風や雨の中、多くの観光客が色づき始めた紅葉を楽しんでいた。17軒が加盟する修善寺温泉旅館協同組合によると、感染者急増の影響とみられる数件のキャンセルがあったが、宿泊客・観光客数は10月とほぼ変わっていないという。

 組合によると宿泊客の多くを首都圏が占め、常連の人も多い。組合は感染防止対策の徹底をPRし続けており、担当者は「常連さんの信頼が厚いのでは」と話す。

 感染要因の一つとされる複数人での会食も、同地区は個室で食事を取ってもらう旅館が多いため、比較的回避できると見ている。高級旅館の利用客は「Go To」の恩恵を受け、普段より多いという。

 紅葉を見に来たという東京都の50代会社員男性も「個室で食事をするので比較的安心だ。心配はあるが、有給も使っているので、どうしても来たかった」と話した。

 組合の担当者は「感染者急増の影響はまだ出ていない。だが今後、出るだろう。理事長を中心に感染防止対策をさらに進め、安心して来てもらえる環境をつくっていく」と話した。


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