Free海外メディア「AOMORI」注目 県の情報発信事業が着々と成果









日本酒をつくる過程を取材するイタリアのテレビ局スタッフ=2020年12月16日、八戸市の八戸酒造



青森県観光企画課が展開する海外メディア向け情報発信事業が成果を上げている。日本に滞在する海外メディアの記者やプロデューサーに向けて県内の観光地などを紹介し、テレビ番組や雑誌の取材、撮影につなげる取り組みで、実績は年々増加。最近では是川石器時代遺跡(八戸市)や十和田市現代美術館、郷土料理など幅広いジャンルが取り上げられており、青森の国外での知名度アップが期待される。 

 事業は2018年度から実施。青森の話題が海外のメディアで取り上げられた件数は初年度が3件だったが、19年度は16件、20年度は12月中旬時点で16件、今後にテレビ番組などで紹介予定が2件ある。

 同課は県内観光地などの情報を英文にまとめて海外の記者らに情報提供するほか、青森の郷土料理試食会なども企画。職員が取材の設定や通訳も担う。事業開始当初は青森ねぶた祭といった既に知名度が高い催しが取り上げられることが多かったが、最近では縄文遺跡群やねぶたを製作するねぶた師など話題は多岐にわたっている。

 昨年12月中旬には東京都内に住むイタリアのテレビ局スタッフ2人が県内を訪問。県が企画した郷土料理の試食会を通して青森の食文化に興味を持ち、「青森の食」をテーマに3日間かけて八戸酒造(八戸市)や弘前市のりんご選果施設を取材した。

 プロデューサーのアレサンドロ・リブリさん(49)は「イタリアで有名な日本の都市は東京や北海道。それ以外の場所を紹介したかった」と狙いを語る。

 八戸酒造では日本酒をつくる過程を約3時間かけて撮影。「歴史が残る古い建物で、新しい機械を使って効率的な作業が行われている。古いものと新しいものの融合が興味深い」と、原料の米を洗ったり、吸水させたりする過程をカメラに収めていた。

 撮影した映像は今年、イタリアの国営放送「Rai Italia(ライ・イタリア)」のドキュメンタリー番組内で放送される予定だ。取材を受けた同社の駒井秀介専務によると、酒の輸出先は米国や台湾が大半。欧州メディアの取材は今回が初めてで、「テレビで取り上げられることで海外の人が八戸に興味を持ち、訪問してもらいたい」と話した。

 同課によると、昨年は新型コロナウイルスの影響で観光客は減少したものの、海外メディアの取材依頼は絶えず、オンラインで取材を設定することもあった。

 事業を担当する同課の一戸学主査は「この調子で情報を出していけば、新型コロナが収束した後に効果が出てくるはず。青森の世界的なブランド力向上を目指していきたい」と先を見据えている。




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