去る11月11日(水)夜、長野県・信濃町、東京・銀座、オンラインの3拠点をつなぎながら、信濃町のワーケーションの可能性に関するパネルディスカッション「ワーケーションの町、信濃町へShort Trip!」(主催:長野県信濃町、共催:株式会社Stayway)が開催されました。

アクティビティと癒し効果を同時に体験できる信濃町。

長野県と新潟県の県境に位置し、国立公園の野尻湖と黒姫山を有する信濃町は、夏は避暑地、冬はウインタースポーツの地として知られる観光地で、ワーケーションに積極的な地域のひとつです。東京からは新幹線を使って2時間強、車でも3時間程度で訪れることができます。

この日は信濃町会場とオンラインでつなぎました。役場のみなさんや信濃町を訪れたことのある方々から、まちのおすすめポイントを伺います。

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信濃町役場の方々がWEBで出演。

アウトドアアクティビティがさかんな信濃町。

夏はカヤックやゴルフにキャンプ、冬はウィンタースポーツを楽しめます。アウトドア好きにはたまらない地域かもしれません。

まちのおよそ7割を占める森林。平成16年に森林の持つ癒し効果を科学的に解明する研究会が立ち上がり、信濃町をフィールドとして「都市部で生活をしている人が信濃町で森林浴を行うとどうなるか?」という実証実験が行われました。その結果、ストレスの低下・血圧の抑制・免疫力向上などが認められ、森が持つ癒し効果を全国に先駆けて科学的に証明したのです。現在信濃町では「森林セラピー」をワーケーションの滞在プランのコンテンツとして取り入れています。実は環境保護活動家で知られる故・C.W.ニコルさんも、信濃町を拠点の一つとして活動されていました。

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信濃町の木材を使用した子ども向けのおもちゃ。

信濃町を味わう。

ワーク+バケーション=ワーケーション。普段の生活とは違う環境で過ごすなら、食も楽しみたいもの。この日は特別に、信濃町の食材を使ったワンプレート料理が振る舞われました。

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信濃町の食材を使ったプレート料理。

白菜やキャベツ、里芋、大根など、たくさんの野菜が獲れる信濃町。夏になると「もろこし街道」にとうもろこしを焼いた香りが漂うそうです。また伝統野菜の「ぼたんごしょう(ぼたごしょう)」は肉厚で柔らかく、辛みと甘味があり食欲をそそるのだとか。まちに1店だけある酒造・高橋助作酒造店の“松尾(MATSUWO)”という日本酒は、芳醇でキレのある辛味が特徴。女性に人気のお酒もあり、カップルやファミリーでも楽しめそうです。

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高橋助作酒造店の日本酒。中央の『信乃大地』はヨーグルトの酒で女性に人気だそう。

ワーケーションの可能性と課題とは。

アクティビティや食の魅力を知った後は、働く環境についてです。一般社団法人エデュケーション・コミュニティの森田次郎さん、東急リゾーツ&ステイ株式会社の白倉弘規さん、GMOペパボ株式会社の五十島啓人さんが登壇し、ワーケーションに関するトークセッションが行われました。「ワーケーション」という言葉の意味をひもとくと、本来働くことはサブで、休むことがメインだそう。とはいえ完全なレジャーでもないため、働きやすい環境が整っているかは重要な視点です。

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「ワーケーション」と「ブリジャー」の違い。

白倉氏からは、医学的にも標高1000mほどで仕事をするといいという研究結果があり、実際に現地のホテルのラウンジや長期滞在で仕事をするが増えてきているとのコメントがありました。一方で森田氏からは、旅先がワーケーションの場になるきっかけとして「人との出会い」が重要であるとの発言。地元のことは地元の人がよく知っているため、外と地元をつなぐ役割がしっかりあれば地元を案内することもでき、もう一度行きたいという気持ちを醸成できると語ります。

続いてワーケーション導入先進企業の制度設計について、リモートワークを実践している五十島氏によると「実際には効果測定が難しく、またコストがかかる」という懸念も。会社のカルチャーがしっかりしていたとしても、やはりオンラインでは気持ちをつなぎとめる部分が難しいと感じることもあるそうです。森田氏からは、例えば地域での農作業の手伝いを副業と捉えれば、新たなつながりが生まれ、自身の成長にもつながるのではとの提案がありました。

また会場から、交通費などの経済面の補助とネットワーク(Wifi)の安定性はワーケーションを行う上で欠かせないポイントではとの質問が上がりました。まさにその通り、とうなずく3人。白倉さんからは、現地のホテルではWifiスピードチェックや部屋のレイアウト変更などで最大限環境を整えているとのこと。また五十島氏からは、企業によっては福利厚生の予算を転用する形での経済的補助は可能性があるのではとコメントがありました。

クラウドファンディング型ふるさと納税実施中!

議論が落ち着いたところで、現在信濃町が実施しているクラウドファンディング型ふるさと納税の紹介です。

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クラウドファンディング型ふるさと納税とは、使途を明確にし寄付金を募集しているふるさと納税のこと。現在、信濃町の「森と人が共生する家づくり『フォレスタイルしなの」を推進したい!」をテーマに行われています(https://stayway.jp/projects/157601)。自然環境を維持しながら、行政が家づくりの窓口になって雇用を創出し、移住定住の循環を目指していく取り組みです。返礼品には地酒セットやそば、特産品詰め合わせなど信濃町の味が盛りだくさん。

遊びとグルメと仕事環境。すべてを兼ね備え、さらにより深く関わるためのきっかけがある信濃町。あなたのワーケーションの舞台にいかがですか?

text by Mai Inoue


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