テレビにも取り上げられ話題となっている「オンラインバスツアー」を企画する香川県の観光バス・タクシー会社である琴平バスは10月2日、アメリカに本社を置く日系旅行会社IACEトラベルと提携し、アメリカの参加者を四国のバーチャル旅行に案内するオンラインバスツアーを開催しました。

これまで開催していた国内向けのオンラインバスツアーでは、そのユニークな演出が話題を呼び、開始後4ヶ月で延べ800人を超える参加者が集まるなど、メディアにも大きく取り上げられていました。

今回はそうしたノウハウも生かした、初のインバウンド向けのオンラインバスツアーの試みとなります。その様子の一部をご紹介します。

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オンラインバスツアーの一部を紹介

今回のインバウンド向けオンラインバスツアーは、外国人の参加者に空港に降り立つところからバーチャル体験をしてもらうところから始まりました。

そして、道後温泉、かずら橋、司牡丹酒造、にこ淵、仁淀川、善通寺、うどんタクシー、宮川製麺所、父母ヶ浜…と、四国中の観光スポットを案内するボリュームたっぷりの内容で展開されました。

実際の旅行であれば長距離の移動が必要となる四国の周遊も、オンラインバスツアーとして魅力を凝縮して伝えています。

旅行番組を見ているかのようなクオリティ

善通寺を紹介する場面では、境内を歩きながら建築を解説したり、お賽銭を入れたり、大きな焼香台に実際に線香に火をつけてお焼香したりする場面などが映像で届けられ、まるで旅行番組の生中継を見ているかのようなクオリティで展開されます。

外国人にとっても日本固有の建築物や文化について実際に体験している様子を見ることができるため、収録されたプロモーション映像を見るのとはまた違う側面から魅力を伝えられるでしょう。

▲[善通寺を歩きながら紹介するシーン。]:編集部キャプチャ

画面越しでも伝わるスリルと、飽きさせない工夫

徳島県のかずら橋を紹介するシーンでは、思わず冷や汗をかくようなシーンもありました。

秘境といわれる「祖谷」にあるかずら橋は、サルナシ(しらくちかずら)などの葛類を使って架けられた原始的な吊り橋であり、足場の隙間から遥か下の渓流が見えるなど、渡る人にとってとても心許なく感じられる吊り橋です。

このかずら橋を紹介する場面では、橋の中腹で立ち止まって真下を見下ろすシーンがあり、画面越しで見ていてもゾッとする瞬間がありました。こうした演出も手伝い、オンラインツアー全体で単調さを感じさせることはなく、2時間強のツアーでも飽きずに楽しめるようなつくりがなされています。

▲[かずら橋を渡る場面。このあと橋を渡り、眼下を見下ろす演出が]:編集部キャプチャ
▲[かずら橋を渡る場面。このあと橋を渡り、眼下を見下ろす演出が]:編集部キャプチャ

ご当地グルメの味と購入方法を併せて紹介

地酒やうなぎ料理を紹介する場面ではまるでグルメ番組のように、美味しそうなうなぎ料理や日本酒を実際に味わいながら紹介しています。

うなぎ料理を食べるシーンでは、外国人の方からうなぎのタレの製造方法に関する質問があったりなど、興味津々の様子でした。

また、日本酒はその味の解説と共に、どこのWEBサイトで購入できるかといったところまで紹介しており、映像だけでなく自宅で実際に四国の味を堪能できるような提案まで行っています。

参加者への質問やチャットで双方向のコミュニケーションも

バスの「移動中」の場面では、参加者に対して「日本に行ったことはありますか?」「四国はご存知ですか?」といった質問がされ、参加者とのコミュニケーションをとる場面がつくられていました。

また、今回の参加者はチャットを用いてリアルタイムで質問することが多く、それらに対して英語で即座に回答しているところも印象的でした。

▲[バスの「移動中」で参加者に質問を投げかける場面]:編集部キャプチャ
▲[バスの「移動中」で参加者に質問を投げかける場面]:編集部キャプチャ

参加者の反応 

今回のオンラインバスツアーに参加された外国人の方は、ツアー中の終始画面に釘付けという状態が見受けられました。それほど関心をもってくれていた参加者の、反応の一部を紹介します。

オンライン上でも「体験系」に興味津々

興味深い点は、オンラインでも特に関心を引くのは体験系だということです。善通寺やかずら橋で実際にロケ先の案内人が同じ画面に入りながらスポットを紹介すると、やはり参加者の方にも実感をもって伝わりやすいのだと考えられます。

特にかずら橋を渡るシーンでは口を手で押さえる人もいたりなど、大きな反応が得られていました。

日本食への反応も関心高く、反応は人それぞれ

やはり、日本独自のグルメへの反応は上々でした。うなぎの蒲焼についてタレの製造方法に関する質問があったり、うどんをすするシーンでは驚きの表情を見せる人もいました。

また、司牡丹酒造のシーンでは社長の竹村氏が日本酒の製造方法や歴史、味わいについて解説されており、日本独特の酒の文化に対して勉強になるという反応が見られ、どこで購入できるかなど、購買意欲も見られました。

このように、ガイドの方だけでなく、現地の観光スポットの方も出演してくれたところもユニークな点です。本来は旅先でしか会えないような方が登場することで、オンラインバスツアーに奥行きが生まれ、また、その人にしかできない専門的な解説を聞くことができたりと、メリットは多いといえます。

インバウンドへのPRの幅広がる、「オンラインバスツアー」

今回、琴平バスとIACEトラベルが提携して開催されたインバウンド向けオンラインバスツアーは、オンライン上で観光地の魅力を伝える工夫が随所になされており、コロナ禍におけるインバウンド向けのPR・プロモーションとしてではなく、収益化できるコンテンツとしても成功事例といえるでしょう。

収録した動画と生中継を兼ね合わせた構成、場面転換の巧みさ、参加者に不安感を感じさせることのない進行は、オンラインツアーを全国に先駆けて始めた琴平バスの経験が光っています。

観光目的での海外渡航が制限されている現在においても、訪日旅行を待ちわびている外国人は多くいます。そうした潜在顧客に対して、いずれ訪れる制限解除の時を見据え、旅の目的地に選んでもらうための情報発信は非常に重要といえるでしょう。

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