2020年7月22日、様々な意見が飛び交う中、政府が仕掛けた「Go To トラベルキャンペーン(Go To トラベル事業)」がスタートした。

 民間調査会社の株式会社ブランド総合研究所が8月に発表した約1万人を対象に行った「Go To トラベルキャンペーン」に関する意識&ニーズ調査(調査期間:2020年7月17日~21日)の結果を見ると、「Go To キャンペーンを利用して旅行に行きたいと思っているか」という設問に対して、前向きに利用を検討している人が17.7%、 感染が収まれば検討したいと回答している人が28.7%となっており、新型コロナウイルス感染症の動向を注視しているという状況のようだ。

 実際の利用状況を見てみると、公共の交通機関を利用する遠方のパック旅行よりも、感染リスクを避け、自家用車を利用して1泊2日程度で行ける近場の旅行に人気が集中しているようだ。開始当初は煩雑だった手続きが、7月27日から旅行代理店やホテルが割引後の価格で旅行商品を販売できるようになるなど、簡略化されることで、利用者が伸びる可能性もある。また、働き方改革の一環として、観光地で休暇を取りながらテレワークする「ワーケーション」もこれから広がりを見せるかもしれない。

 そんな中、住宅業界大手の積水ハウス〈1928〉と、世界各地でブランドホテルや宿泊施設を展開するマリオット・インターナショナルが2018年から進めてきた「Trip Base 道の駅プロジェクト」がいよいよ本格的に動き出す。同プロジェクトは「未知なるニッポンをクエストしよう」をコンセプトに、両社が25道府県の自治体および34社のパートナー企業と連携し、観光を起点に地域経済の活性化を目指す地方創生事業だ。これまで旅の通過点だった「道の駅」を、隣接したエリアにホテルをつくり、地域の観光資源をネットワーク化することで、地域の魅力を渡り歩く“旅の拠点”に変えていく。「フェアフィールド・バイ・マリオット」のホテルブランドで、2025年に25道府県にて約3000室規模への拡大を目指しており、2020年10月6日から、年内にまずは4府県8か所で順次開業する。8月1日からホテルの予約も受付を開始している。

 このプロジェクトの最も興味深い点は「フェアフィールド・バイ・マリオット」が宿泊に特化していることだ。ホテルはあくまでシンプルに、ゆったりとくつろいでもらうことだけに重点を置き、食事やお土産などは道の駅をはじめ地域の店舗を利用するというスタイルを提案している。同プロジェクトは2年以上前から周到に進められてきたもので、地域の人々との交流や道の駅との往来を促す設計がなされており、地域の知られざる魅力の発掘はもちろん、道の駅発のアクティビティ開発や地域の雇用、新しい人の流れの創出など、各地域が抱える課題の解決や観光活性化に向けた様々な取り組みを進めていくという。

 人の多いところを避け、のんびりと旅行を楽しみたい、ワーケーションをやってみたいという人には打って付けではないだろうか。観光地には観光地の良さがあり、地域には地域の魅力がある。とくに道の駅は、地元にしかないような名産品が並んでいることも多い。今まで知らなかった、新たな日本の魅力を発見することもできるのではないだろうか。(編集担当:藤原伊織)

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