この夏、日本の旅行が半額になるかもしれない……アメリカで、そんなニュースが流れ始めた。

 

 世界的な経済情報で知られる『フォーブス』は、日本の観光庁が大規模な予算を組んでいるとして、たくさんの日本の観光地の写真を掲載したうえで、「7月に始まるかもしれない、最高にお得なツアーだ」と期待を寄せた記事を出している。

 

 

 あるトラベル情報誌は、「ホテルにレストラン、イベント、ショッピングが半額、そう半額!」と興奮気味に伝えている。

 

 実はこれ、観光庁が1兆7000億円という前例のない予算を確保している復興支援策「Go To キャンペーン」を指している。「Go To キャンペーン」はまだ企画段階だが、コロナ禍で甚大な被害を受けている業界を官民一体で需要喚起しようというものだ。

 

 対象は観光業、運輸業、飲食業、イベント・エンタメ業などで、以下のようなキャンペーンが予定されている。

 

○Go To Travelキャンペーン
○Go To Eatキャンペーン
○Go To Eventキャンペーン
○Go To 商店街キャンペーン

 

 トラベルでは、旅行業者経由で申し込むと、1人あたり最大1泊2万円まで代金の半額が補助される。宿泊以外にも飲食店や土産物店、観光施設などで使えるクーポンも含まれる。
 飲食では、オンラインで予約すると、最大1人あたり1000円のポイントがもらえる見込み。2割相当分の割引となるプレミアム食事券の発行も検討されている。
 イベントでは、チケット会社経由で購入したチケットに2割相当の割引かクーポンを付与するといった内容だ。

 期間限定だが、政府はコロナ収束後を「V字回復フェーズ」と位置づけ、半年ほどキャンペーンを実施したい考えだ。時期は7月末の夏休みシーズンに焦点を合わせている。

 

 以上は国内向けの復興支援策だ。

 

 一方、外国人向けには、観光案内所やサーモグラフィ整備などの「訪日外国人旅行者受入環境整備緊急対策事業」に52億円、落ち込んだ航空便を復活させ観光地をPRする「訪日外国人旅行客の需要回復のためのプロモーション」に96億円が計上されている。

 

 こうした動きのなかで、国内向け「Go To キャンペーン」になぜか海外で注目が集まった。観光庁のキャンペーンはまだ詳細が発表されていないし、夏にどの程度、外国人観光客を受け入れられるかもわからない。だが、アメリカのメディアもそれは承知の上で、今後の政府の発表を待っている。

 

 今回、世界中がコロナ禍にまきこまれたが、すでに一部で観光キャンペーンが始まっている。
 先般、イタリアのシチリア島が、観光客を呼び戻すために航空券の半額や3泊のうち1泊分の宿泊費を補助し、観光地の入場料を無料にする55億円規模のキャンペーンを発表し、話題となった。

 ベトナムは国内向けの観光プロモーションを6月から実施する。10月には海外からの観光客の受け入れも再開したい考えだ。アメリカはプロアスリートの入国制限を免除し、スペインは7月から外国人観光客の受け入れを再開予定である。

 

 コロナの感染数が予想より低めに推移した日本で、かつてない大規模なキャンペーンに期待が集まるのも当然かもしれない。ただし、受け入れる側も、急激な外国人の流入に対し、相当の準備と心構えが必要になるだろう。(取材・文/白戸京子)


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