日常を取り戻しつつあるローマ市内の広場で開催される週末限定の露店

現在の永遠の都ローマの街は、相変わらず、欧州等を中心とした国々からの旅行客が訪れ、かつての活気が見えてきています。イタリア政府が8月より新しく取り組み始めたグリーンパス制度も人々の中では順調に受け入れながら社会的にも認識されてきているところですが、感染対策をしながらの社会活動や経済活動のためには必要という議論や人としての基本的な人権を侵害するのではという議論が今日でもなされています。

すべての教育機関そして大学でのグリーンパス活用

欧州屈指の歴史を誇るローマ・ラ・サピエンツァ大学の正門

2021年8月6日より開始したグリーンパス制度は、9月1日より新たな追加事項として、すべての教育機関の関係者や従事者さらに大学生は、グリーンパスを携帯することを義務付けられました。また、感染対策として、6歳以上の子どもからマスク着用の義務付けと建物の構造上で難しい場合を除いて最低1メートルの対人距離を遵守すること、体温が37.5以上の場合は、学校に行かないという条項が追加されています。

遵守しない教員や職員は、無断欠席扱いになり、雇用関係の停止や給与の補償もされないという極めて強制的なグリーンパスの所持が求められています。併せて、グリーンパスを保持する学生や健康上の理由でワクチンを接種できない学生を対象に無料のPCR検査も大学よって提供され、自分自身だけではなく、学生自身の家族も守るようにと大学側から奨励されているようです。また、この政令の有効期限は12月31日までとなっています。(※グリーンパスは、ワクチン接種者、新型コロナウィルスから回復した者、48時間以内のPCR検査により陰性だった者を対象に発行されます)

入口にはグリーンパスの提示義務の案内が貼り付けられている

交通機関利用におけるグリーンパス

ローマの中央駅テルミニ駅で停車中の高速鉄道

2021年の9月1日~12月31日までの間で交通機関利用においてもグリーンパスの活用が追加されています。国内線等の航空機利用や州を跨っての移動に利用するフェリー(但し、イタリア本島とシチリア島を結ぶメッシーナ海峡のフェリーは除く)では、グリーンパスの所持そして、提示が義務となりました。さらにイタリア鉄道では、インターシティー(Inter City)、夜行列車のインターシティーノッテ(Inter City Notte)、高速鉄道を利用する際にはグリーンパスの提示が義務化されています。また、2つ以上の州を結ぶ長距離バスでは、グリーンパスの提示が必要となっているが、ローマ市内や州内の公共機関利用時には、現在のところ、所持する義務はありません。

左側が普通列車の車両で右側が高速鉄道の車両

但し、イタリア鉄道の中でも普通列車(Regionale)や快速(Regionale Veloce)を利用する際は、基本的にグリーンパスは不要となっています。このようにイタリアでは、グリーンパスという煩わしい制度がこうして生活の中に徐々に浸透化されてきていますが、ローマの中心となるテルミニ駅では、健康上の理由でワクチンを接種できない人達やワクチンを接種してない人達のために即席で無料のPCR検査を受け、グリーンパスを取得してからグリーンパス所持が義務化されている高速鉄道等を利用することができます。

イタリア赤十字が提供する無料のPCR検査場(午前7時~午後14時まで)

祭典でも見られたグリーンパスの提示義務

緑豊かなリエーティの町の中心となる清き流れのヴェリーノ川

今回、ローマから北東へ約63㎞の距離にあるリエーティ(伊語:Rieti)という緑豊かで清らかな川の流れが美しい町では、文化的な施しとして世界的な唐辛子祭りが開催されていました。グリーンパス制度が施行されてから所持そして提示が義務化されている文化的なイベントで筆者自身もリエーティという町だけではなく、そのお祭りがどのようにして入場ができるのか興味を感じ、実際に足を運んでみました。

リエーティは静岡県伊東市と姉妹都市の関係にあり、友好の証のモニュメントも見られ、古代ローマ時代からの遺構も残り、深緑の緑に囲まれたとても風光明媚な場所です。その点からもローマっ子にとっては、新鮮な空気と大自然を体感できるところでもあります。

そんな美しい自然を堪能できる町で開催された唐辛子祭りでは、様々な唐辛子を使った料理や詰め合わせが並び、多くの唐辛子専門のお店が出店していました。こうした文化的な祭典では、柵で囲むように入場を制限され、グリーンパス所持者のみが入場できるように設営されていました。

入口では、グリーンパスを所持しているかどうかをチェック

また、例えグリーンパスを所持してなくても即席でPCR検査を受けることができ、入場できるように準備されています。但し、PCR検査を受けた後、結果が出るまで約20分待機しなければなりません。

このように現時点では、グリーンパスを所持していなくても逆にPCR検査体制を充実させるなどの工夫が一部でなされており、やはり議論となっている基本的な人権を最低限保護できるようギリギリの範囲でこの国は、新型コロナウィルスとの共生社会を歩んでいます。

グリーンパスを保持してない人が受ける即席のPCR検査場

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URL: https://hon.gakken.jp/book/2080127400

※当記事は、2021年9月12日現在のものです

〈地球の歩き方編集室よりお願い〉
2021年9月12日現在、観光目的の海外渡航は難しい状況です。『地球の歩き方 ニュース&レポート』では、近い将来に旅したい場所として世界の観光記事を発信しています。渡航についての最新情報は下記などを参考に必ず各自でご確認ください。
◎外務省海外安全ホームページ
・URL: https://www.anzen.mofa.go.jp/index.html
◎厚生労働省:新型コロナウイルス感染症について
・URL: https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001.html
旅したい場所の情報を入手して準備をととのえ、新型コロナウイルス収束後はぜひお出かけください。安心して旅に出られる日が一日も早く来ることを心より願っています。

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