新型コロナウイルス感染者が増え続ける中、東京都は軽症者・無症状者のための宿泊療養施設を拡充しているが、自宅療養の人が一向に減らない。400~500人と高い水準で推移し、都内で新たに429人の感染者が確認された8日時点は532人と、宿泊療養の428人を上回る状態が続く。家庭内の感染拡大や急な体調悪化を防ぐため、本来は宿泊療養が原則のはずだが、実態は乖離している。

 入院の必要がない軽症者と無症状者は、都道府県が確保したホテルなどの宿泊療養施設に滞在することになっている。発症日から数えて十日が経過し、症状が治まっていれば退所できる。

 事情があって宿泊療養ができない場合は自宅療養に回るが、急激な体調悪化のリスクなどから、厚生労働省は原則として勧めていない。同省は7日、「一人暮らしで自立生活ができる」などの条件を満たせば自宅療養を認めると発表したが、宿泊療養が基本との方針は変えていない。

 都は宿泊療養のためのホテル確保を進めており、7月中旬に100人程度まで減った滞在可能人数を、同月末にはホテル6カ所で計1260人に増やした。感染者が連日新たに200~400人以上出ていることを受け、8月中にさらに2カ所追加する予定だ。

 宿泊療養の受け皿を広げているにもかかわらず、都内の自宅療養者は高止まりしている。7月中旬には250人程度だったが、同下旬には400人前後に増え、8月3日からは500人前後で推移。これに対し宿泊療養は定員の3分の1の400人程度にとどまる。

 自宅療養が多い背景には、育児や介護を必要とする同居家族がいるなど、家庭の事情で自宅療養を望む患者が多いことがある。また、宿泊療養施設では清掃や準備など作業の関係で、1日に引き受けられる人数が限られる。最近は宿泊療養施設に計100人前後が日々入るが、それ以上が自宅療養に回っている状況だ。(小倉貞俊、小野沢健太)


クレジットソースリンク