【CNS】中国・江蘇省(Jiangsu)蘇州市(Suzhou)の蘇州工業園区(Suzhou Industrial Park)は先月24日、建設を休止して久しい超高層ビル「蘇州中南中心」の新企画案を発表した。周囲が予想した通り、この超高層建築の高さは従来の729メートルから499メートルに縮小された。499メートルとした原因については、3日後に発表された文書の中で回答を見いだすことができる。

【写真】「一帯一路大廈」の完成予想図

 中国・住宅都市農村建設部と国家発展改革委員会は4月27日、連名で「都市と建築外観管理強化に関する通知」を発表し、その中で、各地で計画される超高層「摩天楼」を厳しく制限し、通常500メートル以上の建築物の建設は許可しないとしている。「蘇州中南中心」は、中国国内で計画・建設中の超高層建築の中で1メートルの差で「高さ制限」をクリアした最新の事例となった。

 この数年、超高層摩天楼は各地で相次いで計画されており、その高さは600メートル、700メートル、さらには800メートルも珍しくはない。社会の摩天楼に対する見方が徐々に理性的になるにつれ、それによって引き起こされるマイナス面の問題も注目されるようになっている。

 実際には先日の「通知」が発表される前に、全国各地の計画中あるいは建設中の超高層建築はすでに背丈を削られ、高さ500メートルが超高層建築の隠れたしきい値となっていた。

 深セン市(Shenzhen)は中国で摩天楼が集中する都市の一つで、多くの不動産開発業者がしのぎを削ってきた。超高層建築の計画において、不動産業者は高さ600メートル、700メートルないしは800メートルの目標を掲げていた。超高層「華潤湖貝タワー」の当初の設計高度は830メートルだったが、後に何度も削られ、700メートル、666メートルとなり、2019年8月には500メートルとなった。

 超高層「武漢緑地中心」の最初の計画高度は636メートルとし、すでに完成済みの中国で最も高いビル「上海中心大廈(Shanghai Tower)」より4メートル高かったが、最終的な建設高度は475メートルに決まった。

 南京市(Nanjing)では「中国金茂(China Jinmao)」が河西G97ブロックで、「緑地集団」が江北G41ブロックでそれぞれ500メートル以上、600メートルの高さに迫るプロジェクトを立ち上げ、追いつ追われつの状況だったが、調整が入り、双方ともに500メートルの高さとなった。西安市(Xi’an)の「中国国際絲路中心大厦」の当初の計画は501メートルだったが、後に3メートル削られて498メートルとなった。

 数十年の建設により、中国で摩天楼は珍しくなくなった。世界の他の国々と比べて、その数ははるかに上回っている。国際NPO「高層ビル・都市居住協議会(CTBUH)が公表した「2018年高層建築回顧報告書」によると、中国では18年に中国各地で88棟の200メートル以上の高層ビルを建設、世界全体の61.5%を占め、全世界の200メートル以上の高層建築物1478棟の中で、中国は678棟を有しており、世界全体の45.9%を占めることが示されている。

 清華大学建築学院の宋晔皓(Song Yehao)教授は、「中国の摩天楼は数的には多く、世界全体の相当数を占めている。政府の住宅建設部門は超高層建築の建設に制限を加えるべきだ」と話し、長年にわたる実践により、超高層ビルの建設の技術的な問題は多くは残っていないが、今や必要かどうかを考えるべきとしている。

 中国の超高層建築は、主として高級オフィスビルやホテルとして使われている。供給の増加などの原因で、オフィスビルの空室率は高い。米国不動産サービス大手のクッシュマン・アンド・ウェイクフィールド(Cushman & Wakefield)の報告書によると、19年における中国・大都市のオフィスビルの空室率は約10%に上昇し、過去10年間で最高に達しており、地方都市のオフィスビルの空室率はさらに高く平均で28%前後に達したとのことだ。(c)CNS/JCM/AFPBB News

※この記事は、CNS(China News Service)のニュースをJCMが日本語訳したものです。CNSは1952年に設立された中華人民共和国の国営通信社です。

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